Monday, March 06, 2006

科学

メルロ=ポンティ『知覚の現象学』の「序文」より。

『科学の全領域は生きられた世界の上に構成されているものであるから、もしも我々が科学自体を厳密に考えて、その意味と有効範囲とを正確に評価し ようと思うならば、われわれはまず何よりもこの世界経験を呼び覚まさねばならないのであって、科学とはこの世界経験の二次的な表現でしかないのである。科 学は知覚された世界と同一の存在意義を持ってはいないし、また今後も決して持つことはないであろう。』